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オフィス
Project:三井不動産ビルマネジメント本社移転プロジェクト

同じゴールに向かって、
お客様と私たちがひとつのチームに。

ブランドビジョンを体現化し
働き方だけでなく意識改革をも実現する
本社移転プロジェクト

01

SUBJECT

課題

三井不動産ビルマネジメントが掲げるブランドビジョンは「ビジネスシーンの明日を変えていく」。本社移転に伴い、これを自ら率先して体現するため、このプロジェクトはスタートしました。三井デザインテック(以下MDT)が依頼を受け、シニアコンサルタント木下貴博が最初に取り組んだのは、同社のありたい姿の明文化と現状とのギャップを抽出することでした。

「経営層へのインタビューや社員とのワークショップで、その想いを抽出し、課題を“見える化”しました。そうして掲げたのが4つのゴールです。それは、『定型業務から付加価値業務へのシフト』『全ての基盤となるコミュニケーションの活性化』『自部門だけでなく、他拠点・他部門・他社との連携共創』『自慢できるオフィスに!』。そこを目指して、社員の皆さんと議論しながらプロジェクトを展開していきました」

約半年に及ぶコンサルティング期間を経て、目指すべき姿が見えるとデザインも“並走”を始めます。縦割りでなく、すべてのセクションが重なっていく形でプロジェクトを進めていくのがMDTの特徴です。ゴールを実現するために、どんな空間が必要なのか。プロジェクトメンバーによる〈場づくり〉が始まりました。

02

PROPOSAL

提案

6階から11階までの6フロアにどんな機能を配置するか。設計担当の平田裕亮、西原惟仁が提案したスタッキングは、執務フロアとコミュニケーションフロア(社内外のコラボレーション・集中作業等)を交互に配置するミルフィーユ構造でした。

「執務フロアとコミュニケーションフロアを交互に配置し、上下階の縦移動で交流を活発にする狙いです。中心となるフロアにはカフェや社員の個人ロッカーを集約して、社員が集まる機会をつくりました」(平田)

付加価値業務へシフトするために、社内でも同じ場所に留まらず、さまざまな場所を選んで働けるように。コミュニケーションが育まれる場を作ることで、その活性化を図ります。「共創フロア(10階、9階)はスタッキングで定めた狙いを具現化するため、各階、事務局とMDTでコンセプトを定めて作り上げていきました」と語るのは、デザイナーの佐野翠です。

「『他社との連携・共創の場』として設けたコワークスペースがある来客フロアでは、三井不動産ビルマネジメントの事務局メンバーから受けた、〈未来〉というキーワードから発想し、ブランドビジョンを体現化できるよう、カラーリングやマテリアルを選びました」

最後に、『自慢できるオフィスにする』ため、執務フロアは部門ごとに社員の皆さんから逆プレゼンテーションをしてもらったそうです。

「各部門にとっての課題はなにか、解決のために自分たちはどう働くか、その為にはどのような機能が必要かを考え“自分ごと”化してもらいました。自らが関わることで気づきのプロセスを踏み、オフィスにより愛着を持ってもらうことができました」(木下)

そのプレゼンを受けた佐野は、相談をしながら形にしていったと言います。

「最上階の執務フロアはスタッフ系の部門が入るため、ウェルカム感を大切にしたいということで、ウェルカムカウンターを設置しました。4つの部門が入りおのおの違ったご要望を出された他のフロアでは、その調和を取りながら中央に部門間が交流する円形ベンチを設置しました。各部門のコンセプトは本当にさまざまで、デザインしながら、最終的にどんな空間が出来上がるのか、私もワクワクしていました」

移転後、アフターフォローで訪れた営業の鈴木喬史は、あることに気付きました。

「逆プレゼンの成果か、移転後にも部門内でなにかやりたいことができた時、一度部内で揉んで、自分ごとの意識を持って、総務部に提案していらっしゃいました。私が直接やりとりをするのは総務部ですが、その奥に部門の人たちの意見を感じられる。それは今の三井不動産ビルマネジメントの強さになっていると思います」

03

SUMMARY

まとめ

佐野が設計したフロアごとの世界観を崩さないよう取り組んだというサイン・植栽担当の阿南琢真。ビルの管理のプロである三井不動産ビルマネジメントの高度なリクエストに対し、万全の準備で臨んだ工事の千葉大輝。コンサルから施工まで、チームワークが特に光った、今回のプロジェクトチーム。

「MDTにとってのデザインは、色・物・形ではなく、お客様の課題を解決することです。どのセクションのメンバーもお客様との信頼関係をしっかり築いていました」(木下)

新本社は第34回日経ニューオフィス賞で「ニューオフィス推進賞」を受賞、内外から注目を集めています。最後にプロジェクトマネージャーの前田はこう締めくくりました。

「僕は、今回のプロジェクトで、つらいと思ったことが一度もなくて、とても楽しく、終わってほしくないと思ったくらいでした。お客様とは受発注者という互いの関係を超えて、ひとつのプロジェクトチームとして同じゴールに向かって走ることができた。それが本当に良かったと思います」

PROJECT MEMBER

前田知志

PM
スペースデザイン事業部
営業推進グループ

木下貴博

シニアコンサルタント
スペースデザイン事業本部
ワークスタイル戦略グループ

平田裕亮

設計統括
クリエイティブデザインセンター
ワークプレイスデザイングループ

西原惟仁

設計
クリエイティブデザインセンター
ワークプレイスデザイングループ

佐野翠

デザイナー
クリエイティブデザインセンター
デザイン第6グループ

阿南琢真

デザイナー
クリエイティブデザインセンター
デザイン第5グループ

鈴木喬史

営業
オフィスデザイン事業部
日本橋営業所 営業グループ

千葉大輝

工事
オフィスデザイン事業部
日本橋営業所 工事グループ

INFO

三井不動産ビルマネジメント本社移転プロジェクト

名称
三井不動産ビルマネジメント本社移転プロジェクト
所在地
東京都中央区日本橋室町2-1-1三井二号館
クライアント
三井不動産ビルマネジメント
請負内容
PM・ワークスタイルコンサル・デザイン・設計・施工
竣工年月
2020年10月移転完了(プロジェクトは2018年1月〜)
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