目指したのは
「記憶に残るホテル」
浅間山麓の森に建つグラン・オーベルジュ
「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」の
FF&Eデザイン・FF&E納品
01
課題
主に高級レストランやホテル事業を展開する株式会社ひらまつが手がけるHIRAMATSU HOTELS。「その集大成を作りたい」という命題を受け、プロジェクトはスタートしました。集まったのは、ランドスケープ、エクステリア、インテリア、アートと4つの分野のプロフェッショナルです。インテリアを担当する三井デザインテック(以下MDT)は、ホテル全体のデザイン監修も任されることになりました。デザイナーの岩畑奈生子は、当初の目標を次のように語ります。
「今回の最大の課題は『4社がどう目線を合わせてゴールを目指すか』でした。すでに日本各地にHIRAMATSU HOTELSがあるなかで、〈ひらまつブランド〉について、改めて認識を共有する必要がありました」
ブランドを分析するため、クリエイティブデザインセンター デザイン第2グループの堀内健人はメンバーと共に各地のホテルを視察しました。
「高価格帯のホテルでありながら、非常にアットホームで暖かいサービスを提供されていました。これまでのホテルのファンのお客様にも愛され、新たなお客様も取り込むためには、どうすべきか。そこもポイントだったと思います」


02
提案

プロジェクトメンバーが最初に取りかかったのは、「既存のHIRAMATSU HOTELSを継承する部分と、新しく取り入れる部分を整理すること」でした。『軽井沢 御代田』に継承するのは、これまでひらまつが培った、本物思考・親しみやすさ・人間味といった〈伝統〉。そこに、御代田の新しい体験や土地の空気を取り入れて〈革新〉を続けるひらまつというブランドをイメージし、新たに〈記憶〉というコンセプトを提示しました。軽井沢ならではの地域性や素材をデザインにも取り入れ、「記憶に残るホテル」を目指した岩畑は、「しっかりコンセプトを打ち出すことで、4社は同じ方向を目指して進んでいくことができた」といいます。

一方、デザイナーの堀内が尽力したのはランドスケープとエクステリア。これは、ホテルにとって重要な導入部分です。
「デジタルデトックスもできる静かで環境の良い土地。そこにどんな景色が広がっていると感動できるだろうか?と想像を巡らせ、6万㎡の広大なホテルの敷地へ入った瞬間から始まる〈ストーリー〉を組み立てました。これだけ広いランドスケープを保有している施設はなかなかありません。コテージ棟と本館、どちらからもノンストレスで景観を楽しめるように、自然の地形を生かしながら高低差をつけるなど、各分野のデザイナーと意見を交わし、様々な工夫を施しました」
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まとめ

「ブランドの分析からコンセプト立案、シークエンスの構成までしっかりと組み立ててデザインし、FFE(Furniture/家具、Fixture/什器、Equipment/備品の頭文字)までつなげる」。そのMDTの強みを、『THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田』では最大限に活かせたと、堀内は手応えを感じています。
「建築、ランドスケープ、エクステリア、インテリア、アートは、お客様が味わうときには、最終的にひとつのものになっていなければならない。それをきちんと意見交換しながら積み上げられたこの経験を、次に繋げていきたいと思います」
新規開拓を続け、株式会社ひらまつの門戸を開いたホテルデザイン事業部営業推進グループの斎藤禎司は、最後に今回のプロジェクトをこう振り返りました。
「どんなジャンルの宿泊施設でも、ユーザーやクライアントが求める答えを出すことができる。そのきっかけになるようなプロジェクトでした。これからも、我々が得手とする宿泊施設の領域をどんどん広げていきたいと考えています」
PROJECT MEMBER

斎藤禎司
営業推進グループ

増田健児
開発第2グループ

堀内健人
デザイン第2グループ

岩畑奈生子
デザイン第1グループ
INFO
THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田
名称 THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田
所在地 長野県北佐久郡御代田町大字塩野375番地723
クライアント 株式会社ひらまつ
請負内容 内装・FF&Eデザイン・FF&E納品
竣工年月 2020年11月
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