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S T O R Y
医療・福祉
Project:ニチイホームたまプラーザ

様々なスキルを活かした
濃度の高い
プロジェクト。

〈ハレとケ〉をコンセプトに掲げた
高齢者介護福祉施設の
デザイン改修工事

01

SUBJECT

課題

エントランスやラウンジ、食堂などの共用部をリニューアルする、ニチイホームたまプラーザの改修工事。営業の永井孝幸は、コンペティションで三井デザインテックが選ばれた要因を次のように話します。

「たまプラーザは競合が多いため、選ばれるためにはハード・ソフト共に魅力的な施設としてあり続けることが重要です。開設から30年近く経過した施設の改修提案で、コンセプト立案、ストーリー作りで応えたのは当社だけだったと思います」

三井デザインテック(以下MDT)が提案したデザインコンセプトは〈ハレとケ〉。これは、民俗学者の柳田國男氏によって見出された日本の伝統的な世界観で、〈ハレ〉はお祭や年中行事などの〈非日常〉を、〈ケ〉は普段通りの〈日常〉を指します。「建物内で入居者に〈ハレとケ〉をどう感じていただくか」を、デザインで検討していきました。

02

PROPOSAL

提案

デザイナーの石田泰夫が考えたのは、施設にとっての〈ハレとケ〉。それを、さまざまなスペースに表現しました。

「入居者にとっての〈ハレ=非日常〉は、家族が訪ねて来たり、見学に来たりする共用スペースです。そこで、エントランスには、多摩丘陵の四季を表現し、森を連想する深緑に〈ハレ〉にふさわしい鮮やかな紅葉の赤。壁面には多摩丘陵に吹く風や雪をイメージした装飾を施しました。一方で、〈ケ=日常〉である食堂は、落ち着いて安らげる雰囲気にしています」

施設の改修は高齢者が住みながらの工事のため、「施設側スタッフの協力と施工側の特別な配慮が必要だった」と、工事担当の渡邊篤は振り返ります。

「施設には特有のルールがあり、さまざまな症状の入居者様へ対応できるように対策をされていました。工事を行う上では、ほこりは絶対に出してはいけませんし、釘等の残置も不可です。仮設は囲いを立て、注意書きだけでは伝わらないことを前提に、工事関係者全員が注意喚起する工事計画を立てました」

こうした提案と現場の配慮、仕上りが評価を受け、2期工事として大浴場の改修工事を依頼につながりました。

「お風呂は入居者様の楽しみのひとつです。くつろいでいただくところですが、非常に危険な場所でもあります。色味だけでなく素材の安全性、浴槽に入った時の安定感、万が一滑ったり倒れたりすることも想定して、施設の方に入浴を実演してもらいながら設計しました」(石田)

03

SUMMARY

まとめ

ニチイホームたまプラーザのデザイン改修工事が好評を得て、他施設の工事依頼にもつながっているそうです。石田は、今回のプロジェクトには、MDTのさまざまなノウハウが詰まっていたと言います。

「食堂には飲食店の、生活空間には住宅や宿泊施設の、仮設計画にはオフィス移転やビルの改修工事と、さまざまなスキルが活きた、濃度の高いプロジェクトでした。入居者様への配慮や安全面に関しては、私自身、とてもいい勉強になりました」

最後に、このプロジェクトで得た経験を、渡邊は次のように語りました。

「入居者の安全を保ちながら工事を進めていくことに、多くの時間を費やしました。工事計画の重要性、スケジュール調整、コスト面を含めて、今回取り組んだことが、後々の力になっていくと思います」

PROJECT MEMBER

永井孝幸

営業
スペースデザイン事業部
開発第2グループ

石田泰夫

デザイン
クリエイティブデザインセンター
デザイン第3グループ

渡邊篤

工事
スペースデザイン事業部
工事第1グループ

INFO

ニチイホームたまプラーザ

名称
ニチイホームたまプラーザ
所在地
神奈川県川崎市宮前区
クライアント
株式会社ニチイケアパレス
請負内容
デザイン・設計・施工
竣工年月
2018年1月31日
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