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Q.このプロジェクトの依頼を受けたとき、どんな印象を持ちましたか?

今回のリフレッシュルーム設計にあたり、お客様からお聞きしたご要望は、「ワーカーにとって不公平にならないように、喫煙者も非喫煙者も一緒にくつろげるスペースにしてほしい」ということでした。一般的なビルに設置されている喫煙スペースのほとんどは、隅っこの方に追いやられてしまって “孤立感”がありますよね。また、非喫煙者のためのリフレッシュスペースのあるビルも少ないです。それら2つを共存させて、たばこを吸う人も吸わない人も同じスペースで心地良く過ごせたら、すごく素敵な空間になりますし、ビルのバリューアップとしても非常に効果的で、人を大切にしているビルというイメージにつながるのではないかと感じました。

ですから、今回リフレッシュルームの設計をさせていただくにあたり、
(1)「ワーカーに公平であること」
(2)「ワーカーの多様性に対応できること」
(3)「ワーカーにとって非オフィス空間であること」
の3つをコンセプトに掲げて案を練っていきました。

Q.今回のプロジェクトにおける設計・デザインのポイントを教えてください

まず一点目は、与えられたL字型のスペースの内側にL字型の「喫煙室」を、外側には非喫煙者の方がくつろげるスペースを設け、両者の間を木立のグラフィックを施したガラスで仕切りました。そうすることで、喫煙者と非喫煙者の接点を増やし、両者が互いの存在を感じながらも、それぞれのテリトリーを侵すことなく快適性を保つことができます。こうすれば、お互いにコミュニケーションも取りやすいですし、公平な空間になると考えました。

二点目は、木立のグラフィックや、ウッドデッキのような床材、グリーンのカラーなど、自然を感じるマテリアルを全体に使うことで、森の中にいるような“非オフィス空間”を実現した点です。 また、このリフレッシュルームは日当たりが悪かったので、窓に白いブラインドをかけて木を植え、間接照明を当てることで、明るさとすがすがしさを出す工夫をしました。

三点目は、壁面を多くしたり、スタンドバーを設置したりすることで、たばこを吸う人が寄りかかれる場所を多くした点です。実は、このリフレッシュルームを設計するにあたって、様々な場所の喫煙ルームをリサーチしたのですが、たばこを吸いながら壁にもたれかかっている人がとても多かったかんです。私自身、喫煙者ではないのですが、喫煙ルームを見て回ることで、たくさんヒントを得ることができましたね。

Q.プロジェクトを進める際、最も苦労したのはどんな点でしょうか

最初のゾーニングプランを決定するまでが一番、苦労しました。新人だったということもありますが、喫煙室と非喫煙者のためのリフレッシュ空間という事例も少なく、参考にするものがあまりない状態で、喫煙者・非喫煙者のどちらも快適に過ごせる最適解を探して、何枚もプランを書きました。その結果、喫煙室を大きなボリュームにするのでなく、薄くすることで両者を隔てながらも心理的につながっているような空間にすることができました。

竣工後、お客様より、「とても良い仕上がりになりましたね」というコメントをいただけたときは、本当にうれしかったですね。

Q. 今プロジェクトにおいて、三井デザインテックだからこそ実現できた点や、成功のポイントについて教えてください。

デザインチームだけでなく、営業・工事担当の片山や、皆が「良いものを造りたい」という思いを持っていたからこそ、お客様にもワーカーのみなさんにも気に入っていただけたのだと思っています。たとえば、私が工事担当者に「こういう仕上がりにしたい」と要望を伝えると、「だったら、こういう納まりの方がいい」といったアドバイスをくれることもありました。つまり、相乗効果で良くなっていくのです。これは、設計から施工まで一括で手がけられる三井デザインテックならではの強みだと思います。

そして今回は、「喫煙者と非喫煙者が共に快適に過ごせるパブリックスペース」を求める、日本たばこ産業株式会社主催の「SMOKERS’STYLE COMPETITION2009」作品例部門において、最優秀賞を受賞することができました。私自身、このコンペには学生時代から憧れを持っていて、実際に受賞したときは舞い上がりましたね。今後も、使う方が快適に過ごせるような空間をデザインしていきたいと思っています。

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